業務実績
平成26年度 地域型就業意識向上支援事業 「ボロジノジュニアわくわく仕事し隊」
背景
南大東村は那覇の東方約400キロに位置し、面積は約30.57km2の一島一村である。1日2便運航の39人乗りのプロペラ機で那覇から約1時間、船では14時間かかる距離にあり、断崖絶壁の絶海の孤島である本村では、夏の台風、冬の季節風など厳しい自然環境に晒されながらも、約1,300人が農業を基幹産業として生活している。島内には高校がないため、子どもたちは中学卒業とともに島を出て行き、そのまま島外で暮らすことが多く、人口流出が避けられない状況である。本村の存続と繁栄のためには、人口減少を防ぎ、できる限りUターンする人材を増やすことが望ましい。そのためには、島内の限られた職業に就く人材だけでなく、新しい発想でビジネスを起こすことができる人材の育成が求められる。また、進学や就職で一度は出ていった児童生徒が戻ってこられるような基盤づくりが必要である。
事業の目的
「15の春」で故郷を飛び立たなければならない本村の児童生徒が、仕事をすることの喜びや楽しさ、働くことへの憧れを持ち、就業意識を高めること、また、起業家精神を醸成することを目指し、本事業を実施する。県外での職場体験およびワークショップや講演会を通して視野を広げた上で、夢を描き自らの足で達成に向けて歩いて行ける主体的な児童生徒の育成を図ることを目的とする。
事業の概要
南大東小学校5年生と中学校2年生を対象に、講演会・マナー研修、県外職場場体験等を実施する。本事業は平成24年度から3年間計画で実施され、南大東村役場産業課主幹で行っている。
●速習法セミナーの実施
小学校5年生から中学校3年生を対象に、速習法セミナーを行った。著名人や医師、弁護士などの士師業に携わる人々を生徒に抱えるベストセラー著者を講師として招聘し、児童生徒が脳のメカニズムに合った勉強法・読書法を学ぶことで、記憶力を高めながら効果的に学習できる力を身につけることを目指した。
●職場体験・ワークショップの実施
小学校5年生は京都、中学校2年生は東京に赴き、職場体験を実施した。出発前には事前ワークショップとマナー講習を行い、職場に入るための意識づくりを行った。また、職場体験の事後にもワークショップを行い、体験してきたことを振り返って自分の中に落とし込み、今後に活かしていけるようにすることを目指した。
●起業家講演会の実施
与那国島で起業し、精力的に活動している若手起業家を招き、小学校5年生から中学校2年生を対象に講演会を実施した。人口が約1600人で高齢化と人口減少が進んでいることや、中学卒業とともに島を出なければならないなど、与那国島は本村に類似している島の一つである。離島出身であることの強みや、講師自身の故郷に対する思いを伝えることで、本村の児童生徒の故郷愛を育むと同時に、自信を持って羽ばたいていく人材に育てることを目指した。
●シンポジウムの実施
農業青年団、教育関係者、行政職員、商工会など、地域の方々を対象としたシンポジウムを開催した。現在子どもがいる方々だけでなく、これから子供を持つ若手の農業青年団等が集まって本村の児童生徒の教育について考え、本事業終了後も地域主体でキャリア教育を継続していく素地を作ることを目指した。
平成26年度 職場体験日程
中学生:2014年7月1日(火)~5日(土)
場 所:東京都
生徒数:10名
小学生:2014年10月28(火)~11月1日(土)
場 所:京都府
生徒数:12名
カテゴリー:教育関係