業務実績
平成27年度 アジアユース人材育成プログラム 事業実施報告
事業概要
1.趣旨
日本国内及びASEAN諸国を中心としたアジア14カ国の若者が、東アジアの中心に位置する沖縄に一堂に会し、ともに地球規模の環境問題を学び合い、優れた科学や技術を経験することによって、次世代のイノベーションを担う人材育成を図る。19日間にわたる共同生活のなかで、国境と文化を超えた相互理解を深めて友情を育み、強固な人的ネットワークを形作ることにより、沖縄県が目指す「沖縄21世紀ビジョン」の「世界に開かれた交流と共生の島」の実現に資することを目的に実施する。
2.開催データ
主催:沖縄県
日程:2015年8月5日(水) – 8月22日(土)までの17泊18日(台風のため1日繰り上げて終了)
3.プログラムテーマ
「アジアの明るい未来を目指して最初の一歩を共に踏み出そう!」
“Let’s take our first action to actualize the sustainable development of Asia”
※万国共通かつ喫緊の課題であるエネルギー問題をテーマとし、将来参加青年らが社会の中心を担う時期に、持続可能な未来を具体的に創造するための行動を起こせるようテーマを設定した。
4.参加者について
①対象者は、15歳から18歳までの高校生
②沖縄県が募集、選考を行った。
海外 ブルネイ・ダルサラーム国、カンボジア王国、中華人民共和国、東ティモール民主共和国、インド、インドネシア共和国、大韓民国、ミャンマー連邦共和国、フィリピン共和国、シンガポール共和国、タイ王国、ベトナム社会主義共和国から各2名、ラオス人民民主共和国から1名、福建省から1名、フィリピン沖縄県人会から1名 |
27名 |
沖縄県内 | 14名 |
沖縄以外の国内 | 14名 |
計 | 55名 |
※活動は9~10名の6グループに分かれて行った。 |
事業成果
1.将来のイノベーションを担うグローバルな人材の育成
①グローバルな視点の涵養
昨今、世界中で喫緊の課題として取り上げられているエネルギー問題をメインテーマとし、参加青年らが社会の中心を担っているであろう20年後を見据え、沖縄を中心としたグローバルなビジネス展開でエネルギー問題の解決を図るというアクションプランの作成・発表を支援した。それによって、地球規模のエネルギー問題への理解を深めるとともに、国境を超えて存在する諸々の課題を俯瞰的に捉えるというグローバルな視点を養うことができた。
②国境と文化を越える協働のマインドとスキルの習得
グループディスカッションやフィールドワークを通して、国籍や文化の異なる相手の意見や行動を尊重すると同時に、相手の立場を理解した上で自らの意見を述べ、伝えるという異文化コミュニケーションの基本姿勢を習得する支援を行った。
本プログラムではグループ学習を多用し、文化の違いを乗り越えて一つの目標に向け力を合わせるためのマインドとスキルを身につけると同時に、英語を使用することにより国際的な言語コミュニケーション能力向上の促進を行った。
③問題解決型で行動できる人材の育成
参加青年らが学び得た知識や経験を発表・表現する場を多く設けることで、見聞きしたことや学んだことの定着を図った。そして、地域や世界規模で起こっている様々な社会の課題を認識し、解決に向けて将来参加青年らが社会の中心を担うであろう時期に、持続可能な社会を創造するために行動を起こせるよう問題解決型の思考を身につける支援を行った。
④OB・OGによる講演
本事業の前身である内閣府「アジア青年の家」事業の参加青年、そして沖縄県「アジアユース人材育成プログラム」の過去の参加青年の中から、本年度の参加青年たちのロールモデルとしてふさわしい6名のOB・OGを選出・招聘し、開会式にて講演を行う機会を設けた。本事業の目指す「将来のイノベーションを担うグローバル人材」のイメージを具体的に持たせる機会となった。
2.沖縄を中心とした世界に開かれた国際交流ネットワークの発展
⑤確固たる友情の醸成
18日間の共同生活において、課題のハードルの引き上げ、対立を乗り越えるためのディスカッションの設定、お互いの理解促進と相互扶助の機会を設ける等、心の交流を促進するためのプログラムを実施したことにより、参加青年同士の確固たる友情の絆を深め、将来のアジアにおける人的ネットワークづくりに寄与することができた。
⑥沖縄への理解の促進と人的ネットワークの形成
参加青年が、将来的な人的ネットワークの担い手となることを見据え、エネルギーにまつわる環境問題やソーシャルビジネスに関する講義のみならず、沖縄への理解を深めるためのフィールドワークを随所に盛り込んだことにより、沖縄に対する理解と愛着を深めることができた。また、このようなプログラムを実施することで、国際交流プログラム適地としての沖縄をアピールすることができた。
3.その他
⑦大学生チューターの活用による学びの場づくり
立命館アジア太平洋大学をはじめ、県内・県外大学の大学生をチューターとして登用し、参加青年の目標となるロールモデルとして据えるとともに、チューターにとっても、参加青年の指導を通して自身の成長の機会となるよう、学び合いの場をつくった。
人材育成の専門家(ファシリテーター等)がチューターの学びを支援し、それを受けたチューターが参加青年の学びを支援するという効果的な人材育成の仕組みが創出できた。
カテゴリー:国際交流