業務実績

令和2年度 沖縄離島体験交流促進事業 (本島版)

背景・現状

●沖縄21世紀ビジョンにおいて、離島地域の住民負担を『沖縄の心である「ユイマール精神」に基づき、県民全体で支え合う新たな仕組みを構築していく。』と謳っているが、現状として、沖縄本島地域の住民の離島地域への関心は低い状況にあり、多様な交流を通じて相互理解を深めていく必要がある。

●沖縄の子どもたちが豊かな心を形成し、生きる知恵、社会性、生まれ育った地域に誇りをもつ人格を形成していくためには、幼い頃から地域活動や体験活動を通して、より多くの人々と触れあうとともに、沖縄の自然、文化等に触れる機会の一層の充実を図る必要がある。

●これまで県においては、離島地域における体験プログラムの作成や、体験・滞在施設の整備等を支援してきたが、今後はこれらの資源や民泊の取組等を有効に活用し、離島地域の活性化を図る必要がある。


今年度の課題

●今年度は、突然起こった新型コロナの感染拡大によって、修学旅行の受入中止や派遣中止が相次いでいる。この状況は当面続くと想定されることから、安心して教育旅行ができる目的地を目指し、関係する全ての人々が連携した受入体制の構築を図る。

●本事業を通じた児童の離島理解促進と健全育成を目指し、学校現場と連携した学習効果の高い体験活動(事前・事後学習を含む)を推進し、「地元と派遣離島」の比較による地域理解の促進を図る。

●島側が児童の自律的・主体的な学びを促進する体験・交流を実施できる組織づくりと 人材育成に取り組み、法令遵守と危機管理に対する意識向上、受入態勢の構築・強化、自立的観光に向けた基盤整備を推進する。


事業概要

将来を担う児童が、離島の重要性、特殊性及び魅力に対する認識を深めるとともに、沖縄本島と離島との交流促進により、離島地域の活性化を図ることを目的として、沖縄本島の児童を離島に派遣し、地域の人々や地元小学生との交流のもと、体験学習や民泊等を実施する。


期待される効果

①離島地域の文化、環境及び産業を活かした新たな体験学習の場の構築
②沖縄本島の児童が、離島の重要性、特殊性及び魅力への理解を深める
③児童の豊かな人間性や社会性の形成
④本島と離島との交流促進
⑤離島観光の振興


新型コロナウイルス感染拡大を考慮した派遣基準の設置

新型コロナウイルス感染拡大を受け、令和2年度の離島派遣については、下記の基準で実施した

派遣先は病院のある島(石垣島・宮古島)とする。
罹患時の対応が難しい小規模離島への派遣を予定していた学校は、日程・派遣先の変更を行う。

派遣規模は児童数130名を上限とする。
新型コロナウイルス対策をしつつ、三密を避けた宿泊、体験等の活動を行うため、1実施の最大派遣児童数を130名とする。

民泊による宿泊は行わない。
高齢者が同居する家庭が多いことや三密対策の難しさから、今年度は民泊での派遣は行わず、コロナ対策を講じているホテルや民宿を利用する。

派遣に係る関係者は全員、派遣前後2週間の検温を行う。
受入離島・派遣学校・事業スタッフ等派遣に係る関係者は、漏れなく派遣前後2週間と派遣時の検温・健康チェックを行い、共通フォームに記録する。発熱等の異常が見られた場合には、関係者全体で情報を共有する。

関係者全体での連携したコロナ対策を行う。
地域事情に即した新型コロナウイルス対応マニュアル・フローを構築し、体験プログラムや交流会及び派遣に係るすべての行程において、関係する全員が連携して危機管理を行う。

オンライン離島体験の実施
派遣辞退校、及び131名以上の大規模校のうち、オンラインでの参加を希望する学校へは、離島と学校、相互の地域理解と体験・交流が促進できるよう、オンライン離島体験を実施する。


派遣概要

4月時点の参加予定校

沖縄本島内の51小学校の5年生(109クラス 2,816名)

最終実績

現地派遣 沖縄本島内の21小学校の5年生(43クラス 1,070名)
オンライン実施 沖縄本島内の5小学校の5年生(16クラス 428名)
参加辞退 沖縄本島内の22小学校の5年生(47クラス 1,235名)

派遣先離島市町村

宮古島(池間島)・石垣島(2市町村・3離島)

オンライン実施離島市町村

伊平屋島・伊是名島・伊江島・渡嘉敷島・石垣島・西表島(6市町村・6離島)

期間

令和2年10月~3月

費用負担

本事業にかかる費用は、旅行保険と昼食代以外は沖縄県が負担


今年度の成果

~島側の声~

本事業に参加した島側コーディネーターの声を紹介致します。

正直どのように現地受入を行えばよいか不安もあったが、関係者間で密な連絡を取りながら、対策を考えることで、地域内の連携も進んだ。今回の受入れのために構築した態勢は、今後コロナが収束した後もインフルエンザ蔓延防止や、緊急時の対応に応用ができるので良い経験となった。(池間島)

今回、オンライン実施という機会を与えてもらい、ホントに感謝してます!ありがとうございます。このプロジェクトがスタートしてから、色々な人と協力しながらプログラムを作り上げていくことにより、ものすごく勉強になりました。限られた時間の中で、楽しくわかりやすく、何をどう伝えるのか、今後もより良いものを目指していきたいです。(石垣島)


~参加者の声~

本事業に参加した本島児童や先生方、参加児童保護者の声の一部を紹介致します。

受入先における、検温・体調チェック・換気等の感染対策をしっかり行っていたので安心できた。また、仮に感染が疑われる場合や感染した場合の対応をマニュアルで明確にしていただいたので大変心強かった。派遣中はマスクをつける意義を説明してくれたので、児童の意識が変わった。(派遣学校教諭)

オンライン実施は、想像していたよりもはるかに良かった。今回で学んだことをきっかけに、他の教科とも結び付けていきたい。3時間があっという間に過ぎるほどに楽しかった。特に海洋ゴミ問題について、児童ももっと学びたいと言っていたので、引き続き学習していこうと思う。(派遣学校教諭)

実際のオンライン実施を見て、修学旅行や宿泊学習の事前事後学習と組み合わせる等の取り組みをやってみたいと思った。今回の児童にとっての一番の成果は、自分たちの地域において普通だと思っていたことが、他の地域の人に自慢できると気付いたことだと思う。(派遣学校校長)


コロナ禍における受入体制の構築会議

  


コロナ関連の資料作り

 


オンライン離島体験コンテンツ制作

    

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