カルティベイトな日々

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25 9月

『アジア青年の家』とファシリテーション その-1「成果と意義」

Posted in H22年度アジア青年の家, アジア青年の家, ファシリテーション, 平井雅 on 25.09.10

このコーナーでは、『アジア青年の家Asian youth Exchange Program in Okinawa』の学習サポート業務をどのようにプログラム設計し、成果を得ることができたのかを5回シリーズでご紹介することで、青少年の人材育成分野におけるファシリテーションの有用性について明らかにしていきたいと思います。

株式会社カルティベイトは、先日ご紹介したとおり、内閣府主催『アジア青年の家』の学習サポートに関する業務を、沖縄大学、NPO法人万国津梁人財ネットワークとのコンソーシアムで受託させていただきました。

カルティベイトでは、4人のファシリテーターと16人の大学生チューターを率い、ファシリテーションを駆使して3週間の学習サポート業務に取り組みました。

美ら海前

事業の様子は、これまでずっとこの事業を応援してくださっている政策研究大学院大学教授黒川清先生のブログをご参照ください。

◎ 事業の成果

今年で3年目を迎える本事業では、3週間にわたる先進的な講義や有意義なグループディスカッションを経験した80名の参加青年たちが、水環境問題に関する宣言文、ビジョンボード(イラストレーション)、音楽、詩というクリエイティブな成果物を創り上げました。8月23日の成果発表会では、出席者の感動を呼び、関係各方面から高い評価をいただくことができました。

この成功の基礎となったのは、これまでの2ヶ年の事業の経験を踏まえた内閣府の皆さんによる細心のプロジェクト設計があったと思います。今年度から参加させていただいた弊社では、ファシリテーション(協働促進)やグループダイナミクス(集団力学)の理論と手法に基づいた綿密なプログラム設計を行いました。このことにより、参加青年の自主性を引き出しながら積極的な参画を促し、気づきと学びを促進することができたと思います。

◎ 事業の意義

沖縄が、地域的特性を活かして3週間のプログラムを受け入れ、内閣府や講師陣、立命館アジア太平洋大学をはじめとする県外の知見の支援をいただきながら、県内人材を積極登用して本事業を成功させることができたことは、沖縄県が「沖縄21世紀ビジョン」を実現するに向けて、非常に意義深いものだと思います。

本事業は、国際協力の拠点としての沖縄の可能性を示すと同時に、本県においてグローバルな人材を輩出するための若年層向けの人材育成プログラムのプロトタイプとなったといえるでしょう。

特に、人材育成の専門家が大学生の学びを支援し、その大学生が高校生の学びを支援するという有効な仕組みを構築できたことはとても重要だと思います。

◎ 事業の概要

◇目的

日本やASEAN諸国を中心としたアジア各国(オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ヴェトナムの15カ国)の高校生等が、東アジアの中心に位置する沖縄において一堂に会し、3週間の共同生活の中で、優れた科学者や技術を目の当たりにし、ともに世界の水環境問題について議論を進めることにより、我が国の若者のイノベーティブマインドを醸成するとともに、沖縄の将来を担う人材の育成、国際交流拠点としての沖縄の発展に資することを目的とする。

◇参加者

海外32名 沖縄16名 沖縄以外の国内32名 計80名

◇期間

平成22年8月5日(木)?8月23日(月)

◇プログラムテーマ

「考えよう?生命(いのち)を支える水」“Get real about Water! Indispensable to life.”

◇使用言語

英語

◇スケジュール

※青字部分が学習サポートチーム担当

日付

時間

内容

プレセッション
8月5日(木) 15:00?15:30 ガイダンス
15:30?17:30 事前研修?【桜井国俊先生】

「水問題に関するいくつかの基本概念」

8月6日(金) 10:00?12:00 事前研修?【ディリープ・チャンドララール先生】

「Culture Talk(異文化コミュニケーション実習)」

14:30?17:00 全体ガイダンス
8月7日(土) 9:00?11:00 体験(ハーリー競漕)
13:30?16:30 沖縄プログラム(平和祈念資料館、平和の礎)
17:00?18:00 青年リーダー(2009年OB)との交流

「カタヤビラ方式によるOBからのアドバイスと情報交換」

8月8日(日) 9:00?12:00 2010参加青年:JICA研修生との交流会、2009OB
14:00?16:30 沖縄プログラム(沖縄文化芸能体験(南城市))
8月9日(月) 10:00?12:00 プレ講義(水全般)【桜井国俊先生】
13:30?14:30 2009OBによる「おきなわ水環境宣言」発表
第1セッション
8月10日(火) 10:30?14:00 開会式(万国津梁館) 基調講演・レセプション
15:30?17:30 グループディスカッション?

「マシュマロチャレンジによるチームビルディング、

各国、各地域の水問題に関する情報共有、共通点、相違点の認識」

8月11日(水) 13:30?14:00 開校式(国立沖縄青少年交流の家)
14:00?16:00 講義?安全な水とは何か?【神馬征峰先生】
16:00?18:00 グループディスカッション?

「水問題に関する5つのキーワードから問題と背景について考え、スキットによるプレゼンテーション」

8月12日(木) 9:00?12:00 沖縄プログラム(シュノーケリング等)
14:00?16:00 講義?水と持続可能な開発【小嶋公史先生)】
16:00?18:00 グループディスカッション?

「ビジョンボードとは、水問題に関する発表会準備」

8月13日(金) 9:30?12:00 視察・体験(海浜清掃活動・漂着ゴミ実態調査)
14:00?16:00 講義?水分野の国際協力

【池上清子先生、長瀬愼二先生】

16:00?18:00 グループディスカッション?

「KPTTによるグループディスカッションの振返り、

グループ全体で情報共有、問題解決のための改善点の話合い、

発表会準備」

8月14日(土) 13:30?17:30 水問題に関する発表会

「第1セッションを締めくくる発表会、これまで学んできた水問題に関することを各グループでビジョンボードを作成し発表」

17:30?18:00 閉校式(国立沖縄青少年交流の家)
8月15日(日) 14:30?17:00 沖縄プログラム(美ら海水族館)
8月16日(月) 10:00?17:00 オープンセミナーin那覇(パレット市民劇場)
8月17日(火) 10:00? 民泊 入村式
沖縄プログラム(島民とのふれあい+湧出清掃活動)
8月18日(水) 16:00? 離村式
第2セッション
8月19日(木) 9:30?11:30 グループディスカッション?

「ワールドカフェにより参加者全員で2030年にありたい地球の姿(ビジョン)、2020年にとっていたい行動(アクション)について情報共有」

13:00?17:00 講義?問題は水、解決は雨水?イノベーティブ・スカイウォータープロジェクト【村瀬誠先生】
17:00?18:00 グループディスカッション?

「最終成果物完成に向け、各コミッティで準備、活動」

8月20日(金) 10:00?12:00 講義?水と農林水産業【小山修先生】
14:00?16:30 講義?海水を飲み水に【東レ】
16:30?18:00 グループディスカッション?

「講義??振返り、 最終成果物完成に向け各コミッティで準備、活動」

8月21日(土) 9:30?11:00 講義?環境問題の取組み研究発表(出前講座)

【OIST、JAMSTEC、沖縄大学、宮古総合実業高等学校】

14:00?16:00 講義?世界中の水をきれいに【日本ポリグル】
16:00?18:00 グループディスカッション?

「講義??振返り、 最終成果物完成に向け各コミッティで準備、活動」

8月22日(日) 9:30?12:30 沖縄プログラム(首里城&那覇国際通りなど)
14:00?16:00 グループディスカッション?

「最終成果物完成に向け、各コミッティで準備、活動、及び成果発表のリハーサル」

8月23日(月) 10:00?13:00 閉会式(コンベンションセンター) 成果発表・講評・レセプション

?アジア青年の家2010宣言文

?ビジョンボード

?“We are the world 窶骭? AYEPO 2010 Version”

?創作詩 “KISEKI”

次回へ続く

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