乳がん患者のサポートをしている「ぴんく・ぱんさぁ」の方からファシリテーション研修のご依頼をいただいたのが8月の末。その後の打ち合わせを経て、昨日無事研修を終了することができました。
患者さん同士が語り合う場や、NPOとしての運営を考える場など、ファシリテーションが威力を発揮する場はたくさんあるようです。
参加者の皆さんには、とても喜んでいただき、そのことが私としてもたいへん嬉しかったです。
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昨日の研修では、まず最初に「この3時間の研修で何を持ち帰りたいと思っているか」の参加者間での認識共有からはじめました。
その結果、「参加者皆さんの認識がまちまちであること」を共有することができました。
なので、この時点で当初予定していたのプログラムを大幅に変更。
まずは本日の研修を、「個人の経験を語り合う」のか、「患者会の場について取り扱うのか」、「患者会をサポートするぴんく・ぱんさぁとしての活動を取り扱うのか」の3つの中から、どこに焦点を絞るのか、参加者の皆さんと確認しました。
で、結果として「患者会の場について話し合う」ことを確認・共有できました。
そこで、まずは「安心・安全な場をつくる」ための、傾聴や質問の仕方についての簡単なレクチャーを行いました。
なぜ傾聴が必要なのか、傾聴のコツとはどういうものか、についてお話ししました。
その次に、話し合い・聴き合い(つまり「対話」)の場として、これまでの経験を話し合って(聴きあって)いただきました。
テーマは、「患者会の場で、良かったこと/問題だと思ったこと」。
模造紙の上に付箋紙を貼っていくスタイルで対話。ひとしきりの対話はたいへん盛り上がっていました。
次に、3チームに分かれて行ったそれぞれの対話の結果を、今度は「良かったこと/問題だと思ったこと」×「患者会の中身/患者会のあり方・持ち方・仕組み」という2軸で整理していただきました。
結果的に色々なことが見えてきました。
- 患者会(ゆんたく会)の中身としては素晴らしい経験が多いこと。
- 会のあり方・持ち方・仕組みとして改善点が多いこと。
などなど、様々な点が浮き彫りになりました。
そこで、「会の中身」×「問題だと思った点」を参考に、患者会(ゆんたく会)のグラウンドルールをその場で作成しました。これはそのまま会の皆さんへのお土産になったと思います。
最後に、
- 話し合いのプロセス「共有」「拡散」「収束」「合意」が大切であること。
- ホワイトボードや模造紙付箋紙などを使って議論を見える化し、「空中戦」を避けること。
- 会議の心得=グラウンドルールを最初に確認してから会を始めること。
- 話し合いの場を入念に整えること。
- 最初に話し合いの目的を確認すること。
が大切であるというレクチャーをして研修を終了しました。
最後の振り返りで、離島から参加された方から「まさに今の私たちに必要な内容でした。このような会を開催していただいてありがとうございます。」という嬉しいコメントを、涙ながらにいただきました。
講師として、ファシリテーターとして最高に幸せな瞬間でした。
そして、それは、この研修会を企画・運営されたぴんく・ぱんさぁの会長さんをはじめ、スタッフの皆さんの努力の賜だと思います。
素晴らしい経験のお裾分けをいただくことができ、ありがとうございました!