業務実績
平成23年度 アジアユース人材育成プログラム 実施結果概要
サマリー:事業の成果と意義
事業の成果
本年度「アジアユース人材育成プログラム」は、内閣府主催で3カ年開催された「アジア青年の家」が沖縄県へ移管となり名称が変更になってから初めての開催となった。
特定非営利活動法人万国津梁人財ネットワークでは、株式会社近畿日本ツーリスト沖縄、株式会社カルティベイトとコンソーシアムを形成して本事業の企画運営にあたった。
本NPO法人は、学習サポート業務のうち、大学生チューターの募集と派遣を担当、日本を含む14カ国48名の高校生の学びをサポートした。
18日間にわたって水環境問題に関する最先端の講義や英語によるグループディスカッションを経験した48名の参加青年は、宣言文、ビジョンロボット、オリジナル曲など創造性あふれる成果物を完成させた。この成功は、これまでの「アジア青年の家」の3ヵ年にわたる実績と経験を踏まえつつ、ファシリテーション(協働促進)の理論・手法に基づいた綿密なプログラム設計と、スタッフの献身的なサポートにより、参加青年の自主性を引き出しながら積極的な参画を促し、気づきと学びを促進することで得られたものといえる。
本年度は、昨年度に比べて民泊の日数を増加させ、県内高校生が演じる「肝高の阿麻和利」のバックステージツアーを取り入れたことなどにより、より沖縄への理解が深まって交流を深化させ、まさに未来の人的ネットワークの形成に寄与することができた。
事業の意義
沖縄県内からの参加者がアジア13カ国および日本本土からの参加者と共に学び、交流を深める本プログラムを、沖縄県が主催し、県内の人材を積極登用して成果を収めることは、「21世紀ビジョン」の実現に向けて、非常に意義深いものであると言える。
本事業は、「交流と共生の島」に象徴される国際協力の拠点としての沖縄の可能性を示すと同時に、本県においてグローバルな人材を輩出するための若年層向けの人材育成プログラムの試金石となったと言える。特に、人材育成の専門家が大学生の学びを支援し、その大学生が高校生の学びを支援するという仕組みを構築し得たことは大変に重要である。
事業の概要
主旨
「アジアユース人材育成プログラム」は、国内及びASEAN諸国を中心としたアジア13カ国(ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの13カ国)の若者が、沖縄に一堂に会し、18日間にわたる共同生活のなかで交流を深めて国際的な人的ネットワークを築くことを目的とする。
また、プログラムを通して、世界各地の人々が直面する地球規模の問題と、その克服に貢献する科学技術の素晴らしさに触れると共に、ディスカッションを通じて多様性を受け入れる素地を養い、次世代のイノベーションを担う人材を育成することも目的としている。
開催データ
- 主催
- 沖縄県
- 日程
- 2011年8月6日(土)~8月23日(火)
- 参加者
- 海外(上記13カ国から2名ずつ):26名
沖縄(沖縄尚学、開邦、首里、昭和薬科、那覇国際、普天間):11名
沖縄以外の国内:11名
計 48名
※年齢は、アジア各国からは15歳から17歳の学生。日本は高校1年生、2年生が参加。 - 使用言語
- 英語
- プレセッション
- 8月6日(土)~8月9日(火)※事前研修含む
- 講義1
- 22世紀型人類になろう〈講師:室山哲也氏 (NHK解説委員)〉
- 事前研修1
- 水環境問題概論(国内青年向け)講師:桜井国俊氏 (沖縄大学教授)〉
- 事前研修2
- コミュニケーション論〈講師:ディリープ・チャンドララール氏 (沖縄大学教授)〉
- 講義2
- 水環境問題概論 Water is Life〈講師:桜井国俊氏 (沖縄大学教授)〉
- 見学
- OIST
- 交流
- 青年リーダーとの交流 第1セッション 8月10日(水)~8月14日(日)
- 講義3
- 水分野の国際協力 Part1/Part2〈講師:長瀬愼治氏 (国連ボランティア計画)〉
- 講義4
- 水と持続可能な開発〈講師:小嶋公史氏 (地球環境戦略研究機関)〉
- 講義5
- 持続可能な開発のための教育(ESD)〈講師:大島順子氏 (琉球大学)〉
- 体験
- 沖縄プログラム(沖縄文化芸能体験:空手、エイサー)
沖縄プログラム(シュノーケリング、ハーリー)
海浜清掃活動・漂着ごみ実態調査
伊江島民家体験泊 8月15日(月)~8月17日(水)
伊江島民家体験泊
第2セッション 8月18日(木)~8月23日(火) - 講義6
- 地球人類100億人時代の資源とエネルギー〈講師:山根一眞氏 (科学ジャーナリスト)〉
- 講義7
- 問題は水、解決は雨水〈講師:村瀬誠氏 (天水研究所)〉
- 講義8
- 世界の水をきれいに〈講師:小田兼利氏 (日本ポリグル)〉
- 講義9
- 日本・アジアとの関係から見た沖縄の歴史・文化〈講師:ジョン・マイケル・パーヴェス氏 (琉球大学)〉
- 体験
- 肝高の阿麻和利バックステージツアー
- 交流
- JICA研修員との交流会
- 見学
- 安藤証券
プログラムテーマ
「アジアの未来は豊かな環境(水、エネルギー)とともに」
“The Future of Asia Rests on a Natural Environment Rich in Water and Energy.”
セッションごとのプログラム概要
セッションごとのプログラム概要は以下のとおり(グループディスカッションを除く)。
学習サポート体制
高校生の学びをサポートする12名のチューターとして、沖縄県出身者6名(沖縄大学、琉球大学、沖縄国際大学、関西学院大学の学生)、立命館アジア太平洋大学への留学生(ブルネイ、中国、インドネシア、韓国、ミャンマー、タイ)を募集・選考し、事前合宿での研修などを行った。本番では、グループディスカッションの円滑な運営、参加青年の学習や生活へのアドバイス等を担当し、本事業の成功に大きく貢献した。
成果発表
参加青年は、第2セッションにおいて4つの委員会(起草、アートビジュアル、パフォーマンス、連携コーディネイト)に分かれて、成果発表会に向けて準備作業を行った。その結果、自分たちの創造性を活かし、チームワークよく組織的に創作活動を行い、感動的なプレゼンテーションを実現した。
成果物
宣言文、ビジョンボット(2031年のありたい姿を表現したロボット)、オリジナル曲「For You Mother Earth」、モノローグ他
カテゴリー:国際交流