業務実績

「アジア青年の家2010」実施結果概要

1.サマリー:事業成果と意義

  1. 事業の成果

    今年で3年目を迎える本事業では、3週間にわたる先進的な講義や有意義なグループディスカッションを経験した80名の参加青年たちが、水環境問題に関する宣言文、ビジョンボード(イラストレーション)、音楽、詩というクリエイティブな成果物を創り上げ、成果発表会において出席者の感動を呼び、関係各方面から高い評価を得た。
    この成功は、これまでの2ヶ年の経験を踏まえつつ、ファシリテーション(協働促進)やグループダイナミクス(集団力学)の理論と手法に基づいた綿密なプログラム設計により、参加青年の自主性を引き出しながら積極的な参画を促し、気づきと学びを促進することで得られたものといえる。

  2. 事業の意義

    沖縄が、地域的特性を活かして3週間のプログラムを受け入れ、内閣府や講師陣、立命館アジア太平洋大学をはじめとする県外の知見の支援を得ながら、県内人材を積極登用して本事業の成功をなし得たことは、本県が「沖縄21世紀ビジョン」を実現するに向けて、非常に意義深いものである。

    本事業は、国際協力の拠点としての沖縄の可能性を示すと同時に、本県においてグローバルな人材を輩出するための若年層向けの人材育成プログラムのプロトタイプとなった。特に、人材育成の専門家が大学生の学びを支援し、その大学生が高校生の学びを支援するという仕組みを構築し得たことは重要である。

2.「アジア青年の家」の事業概要

  1. 目的
    我が国やASEAN諸国を中心としたアジア各国(オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ヴェトナムの15カ国)の高校生等が、東アジアの中心に位置する沖縄において一堂に会し、3週間の共同生活の中で、優れた科学者や技術を目の当たりにし、ともに世界の水環境問題について議論を進めることにより、我が国の若者のイノベーティブマインドを醸成するとともに、沖縄の将来を担う人材の育成、国際交流拠点としての沖縄の発展に資することを目的とする。
  2. 参加者(内閣府が募集、選考を行い、決定)
    海外(上記15カ国から2~3名) 32名
    沖縄 16名
    沖縄以外の国内 32名
    計 80名
    ※ 活動は10名×8グループに分かれて行った。年齢は、アジア各国からは15歳から17歳の生徒。日本は高校1年生、2年生及び同程度の能力を有すると認められる中学3年生が参加。
  3. 期間
    平成22年8月5日(木)~8月23日(月) スケジュール表(3ページ参照)
  4. プログラムテーマ
    「考えよう~生命(いのち)を支える水」“Get real about Water! Indispensable to life.”
  5. 使用言語
    英語
  6. プログラムの成果物概要
    3週間のプログラムを通して学んだ成果を、以下の4つの成果物として表現し、8月23日最終日の成果発表会において発表した。

    1. “AYEPO2010 Declaration” (Vision 2030 / Action 2020)
      2030年にありたい地球の姿、それを実現するために私たちが2020年にとっているべき行動Actionを表現する宣言文を作成した。
    2. ビジョンボード
      “AYEPO2010 Declaration”で宣言される地球の姿と、それに至るまでの道のりを視覚化したボード)を作成した。
    3. “We are the world – AYEPO 2010 Version”
      3週間の学習の成果として得られた自分たちの気づきを歌詞とし、有名曲のメロディに乗せて表現することで最初のアクションとした。自分たちでアレンジ、演奏、合唱した。
    4. 創作詩 “KISEKI”
      “We are the world” 同様、これからの自分たちの行動の第一歩として、詩を創作して朗読した。

3.受託業務の概要

  1. 体制
    「アジア青年の家」では、専門家による講義の他、課題解決のためのグループディスカッションを9回実施した。この議論を円滑に進めて成果を上げ、参加青年の学習をサポートすることを目的に、沖縄大学、株式会社カルティベイトおよびNPO法人万国津梁人財ネットワークが形成するコンソーシアムが、学習サポートチームを編成し、「事前研修の企画及び運営並びに成果発表に向けたグループディスカッションの企画及び学習サポート業務」を実施した。
  2. 業務内容
    • 80名の参加青年の学習をサポートするため、ファシリテーターチーム9名、大学生チューター16名(県内8名・APU8名)、写真撮影等記録担当2名からなる学習サポートチームを編成した。
    • 上記スタッフの事前研修とチームビルディングのための合宿研修(県内2泊3日)を実施した。
    • 国内参加者(48名)対象の水問題の基礎知識講座と英語によるディスカッション演習等事前研修を企画して実施した。
    • プログラム期間中のグループディスカッションを企画・設計し、進行を担当した。
    • 記録DVDと報告書を作成した。

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